英語圏での『もしもの愛』評価まとめ
チョン・ドヨンの演技、アカデミー賞主演女優賞ノミネート(および受賞)の可能性
『もしもの愛』(監督:イ・チャンドン)でのチョン・ドヨンの演技に対し、来年のアカデミー賞主演女優賞ノミネート(および受賞)の可能性が海外メディアを中心に大きく報じられています。主な根拠を項目別にまとめました。
ゴッサム賞での主演演技賞ノミネート
- 第36回ゴッサム賞(2026年11月30日開催予定)で、Outstanding Lead Performance部門にノミネートされました。性別を分けない部門であり、ジュリアン・ムーア、マハーシャラ・アリ、ジリアン・アンダーソンらと競います。
- ゴッサム賞はインディペンデント映画の権威ある賞で、オスカーシーズンの序盤を占う指標の一つとされています。韓国人俳優として唯一の演技部門ノミネートという点も注目されています。
- 作品自体もBest International FeatureとBest Screenplayを含め、計3部門にノミネートされました。
ハリウッド・リポーターをはじめとする海外メディアの評価
- The Hollywood Reporterがチョン・ドヨンのキャリアを特集し、『もしもの愛』での演技を高く評価。韓国人俳優として初めてアカデミー賞主演女優賞にノミネートされる可能性に明確に言及しました。
- 「彼女の卓越した活躍を考えれば、ごく当然のこと」との指摘がなされ、Netflixが主演女優賞でのキャンペーンを本格的に行う方針であることも報じられています。
- 他の英語圏メディアでも、ヴェネツィア映画祭での評価と合わせ、オスカー候補としての位置づけが強まっています。
高い批評家評価と映画祭での実績
- ロッテン・トマトの批評家スコアが100%(公開時点)を記録。MetaCriticでも高得点を獲得しており、批評家からの支持が極めて厚い作品です。
- 第83回ヴェネツィア国際映画祭で銀獅子賞(審査員大賞)を受賞。イ・チャンドン監督の8年ぶりの長編ということも相まって、国際的な注目度が高まっています。
- 韓国映画界からも高い評価を受けており、批評家賞での受賞実績も出始めています。
Netflixによる本格的なオスカーキャンペーン
- Netflixは『もしもの愛』を複数部門でオスカーに推す方針を明確にしており、特にチョン・ドヨンの主演女優賞を重点的にキャンペーンする意向です。
- 『パラサイト』以降の韓国映画の国際的地位の高まりを背景に、非英語圏作品としての可能性も指摘されています。
- 韓国政府・映画振興委員会も国際長編映画賞の公式出品作品に選定しており、作品全体の後押しが強い状況です。
イ・チャンドン監督との再タッグと過去の実績
- チョン・ドヨンは2007年の『密陽』でイ・チャンドン監督と組んでカンヌ映画祭主演女優賞を受賞した実績があります。同一監督との再タッグで、演技の深みが改めて評価されています。
- 解雇された労働者の妻・ミオク役を演じ、感情の機微や階級の問題を丁寧に描いた演技が「層が厚く、深く心を動かす」と評されています。
小括
以上のように、ゴッサム賞ノミネートを起点に、批評家評価・メディア報道・配信プラットフォームのキャンペーンが重なり、チョン・ドヨンの主演女優賞候補入りの可能性が現実味を帯びてきています。実際のノミネート発表は来年1月頃と予想されており、今後の動向がさらに注目されます。
英語圏での『もしもの愛』評価まとめ
イ・チャンドン監督の『もしもの愛』(Possible Love)は、2026年9月の第83回ベネチア国際映画祭コンペティション部門で初公開され、審査員賞(Grand Jury Prize)と国際映画批評家連盟賞(FIPRESCI Prize)を受賞しました。その後、英語圏のレビューサイトや主要メディアで極めて高い評価を得ています。
集計サイトのスコア
- Rotten Tomatoes
批評家スコア 100%(78件のレビュー、平均8.8/10)。批評家コンセンサスは「現代の混沌が洗練された表面の下に煮えたぎる、完璧に均衡のとれたドラマ。忠実さと不平等を探求したイ・チャンドン監督の傑作」と評しています。
出典:Wikipedia(Rotten Tomatoes集計) - Metacritic
Metascore 95点(32件の批評、すべて肯定的)。「Universal Acclaim」に分類されています。
出典:Metacritic
主な英語メディアの評価
- Los Angeles Times
「日常の苦闘の傑作であり、今年最高の映画の一つ」。二つの夫婦が階級の格差と欲望に直面する様子を、繊細かつ小説的に描いたと高く評価しています。
出典:Los Angeles Times - Variety
「美しく成熟した、静かに巨大な関係ドラマ」。チョン・ドヨンの演技を「今年最も複雑で光る演技の一つ」と絶賛。階級と欲望を、驚きと必然性が完璧に均衡した形で描いていると評しています。
出典:Variety - The Hollywood Reporter
「現代世界映画の巨匠による、また一つの傑作」。経済的・感情的な不安を静かに、しかし力強く瞑想した作品と評し、人間観察の鋭さを強調しています。
出典:The Hollywood Reporter - Rolling Stone
「悲劇であり、時限爆弾であり、2026年最高の映画」。嫉妬と階級意識を軸に、極めて完成度の高い作品だと高く評価しています。
出典:Rolling Stone - Sight & Sound(BFI)
経済的格差を冷静に探求した作品で、静かな啓示に満ちていると評しています。チョン・ドヨンの「常に揺れる素晴らしい演技」にも言及しています。
出典:Sight & Sound - Screen Daily
階級・欲望・搾取を探求した力強い復帰作。クリシュトフ・キェシロフスキの『デカローグ』第10話にゆるやかに着想を得た作品として紹介しています。
出典:Screen Daily - Radio Times
5つ星。「豊かで完全に引き込まれるドラマ」。人間の本性への深い理解を示した作品と評しています。
出典:Radio Times
全体の傾向
英語圏の批評は、ほぼ例外なく高く、特に以下の点を共通して挙げています。
- イ・チャンドン監督の人間観察の鋭さと小説的な構成。
- 階級格差と欲望の交差を、押しつけがましくなく描いた点。
- チョン・ドヨンの繊細で多層的な演技(『シークレット・サンシャイン』以来の再共演としても注目)。
- ベネチアでの高い評価と、Netflix配信を通じた国際的な注目。
確認日:2026年11月6日。今後、スコアは変動する可能性があります。